インタビュー

株式会社 シーエーティー 代表取締役 伊藤洋子【前編】

 
 
◆ まずは簡単に自己紹介をお願いします。
生まれも育ちも富士宮です。市内の高校を卒業して静岡市内の化粧品販売会社に就職しました。
シーエーティーには平成4年に入社して、平成11年に経営者となりました。
◆ どんなタイプの人間だと思いますか?
今回、小学校の時から色々思い返してみて、自分がどんなタイプの人間かっていうのを考えてみました。色々な事を振り返る事ができて良かったです。
小学校の頃の成績表に先生がコメントを書いてくれると思うのですが、私の成績表には1年生から5年生までずっと「洋子さんは何を考えているか分かりません」って書かれていました。 当時の私もたぶんショックだったと思います。でも、今になって考えてみると『積極性に欠けていて、アピール下手な子だったのかな?』と感じることができました。『答えが分かっていても、手が上げられないタイプ』でした。

とは言っても当時は小学生ですから、そんな事を書かれてもどうしたらいいか分からないし、何をしたらいいか分からなかったです。 だけどその事をきっかけに、中学・高校と進んで行って『どこかで変えなきゃダメだな』と思い、苦手な事にたくさんチャレンジするようになりました。 就職を決めた時も『人と関わるのが苦手なタイプなので、サービス業などの分野に就職した方がいいのかな?』と思ったんです(笑) 当時の高校の先生が「何でもできるぞ!」って背中を押してくれたのもあって「じゃあ、やってみようかな」と思い切って化粧品の販売会社に就職しました。 中学・高校で友達関係や人との関わりなど、少しずつ“自分”を変えていき、社会人になる時に『敢えて苦手な事をしてみよう』と決断した事も人生において良い選択ができたかな?と思っています。
別の道を選択していたら、このインタビュー(TOPインタビュー)も受けることはなかったでしょう(笑) 人前で話すことなんて絶対に無かったし、出来なかったと思います。 自分のそういう所に気付けたのは良かったのかもしれません。ただ目立つのが億劫で嫌だったんですよね。…根っこには未だにそういう気持ちがあるのかもしれません。 正直に言うと、今回のインタビューの話が来た時も「えぇ?」とか考えちゃいましたし(笑) そういうネガティブなところもあるんですよ(笑) こういう事がきっかけでまた“多くの方との縁”とか“良い繋がり”ができればいいなと思ってこの話を受けました。
◆ どんな事業をされていますか?
人材派遣の会社です。地元採用で取引先も地元(富士・富士宮)の企業様です。請負工場も三か所あります。
製造業、事務系、サービス系の仕事を取り扱っています。 求職者の皆様の働き方も多様化していますので、希望を聞きながら提案させていただいております。 入社後のサポートや、不安なことがあれば社内にキャリアコンサルタントが在中していますので、安心してお仕事をしていただけると思います。 ホームページに最新のお仕事も掲載しているので、是非ご覧下さい。

――― 伊藤社長に経営が変わったのが平成11年という事でしょうか?
そうです。平成元年の頃は個人事業で商売をしていて、私はその時はあまり関わっていなかったのですが、会社組織にして少しずつ関わり始めて、平成11年に経営が変わったということです。
――― 社名の“シーエーティー”とはCAT…つまり猫という事ですか?
そうです。前身は 有限会社 猫の手かします という会社で、その時は構内請負の仕事が主でした。 忙しい時に「猫の手も借りたい」って言うじゃないですか。その言葉から社名を考えたそうです。 そこから株式へ組織変更する時に、社名変更をすることになりまして。“猫”の文字だけ残そうということでシーエーティーになったと聞いています。
――― 可愛らしい名前だなという印象を受けました。
『インパクトが強い方が印象に残りやすいのではないか』ということだと思います。 当時の社名は名前を聞いただけでどんな会社か分かりますよね。

◆ ターニングポイントなどありましたら教えてください。
色々あるのですが、自分が“ここだ”って思えるターニングポイントは 平成11年7月『経営者としての道を選んだ時』です。 元々サラリーマンの家庭で育った私が、経営者になる事は周囲の人は思っていなかったと思います。 もちろん私も思ってなかったですし、出来るとも思っていなかったですから。
…ターニングポイントをもう一つ上げるとしたら、平成20年『リーマンショック』の時ですね。 あの時は本当にどこの会社も大変でした。でも、大変だったからこそ、あの時に『しっかりこの道で、この会社で生きていこう』って社員としっかり話ができたんです。 やはり、あそこが分かれ道だったと思います。
“覚悟を決めた”というか、「今はこんなに悪い状況だけど、この状況が続くわけないから頑張っていこう!」という話をしました。 当時、世間で業界は厳しい時期で、業界に対するイメージも悪かったんですよね。 そのイメージを払拭するのはとても大変なんだけど「1個ずつクリアして頑張っていこう」という話をした記憶もあります。 そこが弊社の分岐点だったと思います。 実際にシャッターを閉めた会社もたくさんありました。 辞めた派遣会社の社長さんが弊社にいらっしゃって「ウチの従業員を預かってください。 御宅だったら安心して預けられる」と言ってくださったこともあり「しっかりやっていかないと!」って改めて思いましたね。
――― 派遣業というと法律が変わっていくイメージがあるのですが。
前回の改正で派遣社員へのキャリア教育が義務付けられました。 社内で計画して、キャリア研修を定期的に行ったり、インターネットを使ったeラーニング・パソコン研修なども行っています。
――― HPに記載されていた『派遣期間終了後、次のお仕事紹介100%』というのは凄いですよね。
そうですね、次の仕事も紹介します!! 人によって合う合わないもありますから、case by caseで、またその時に応じてきちんと次のお仕事を紹介します。 色々とやっていく中で『自分はこの仕事が合う』とか『この会社が良かった』とか気付いてもらう事も出来ると思いますし、集中して経験を積むことでキャリアアップにも繋がります。 もし弊社と縁が切れてしまっても、戻ってきてくれる方も多くいます。

――― 派遣期間終了後の不安が解消されるのは嬉しいですよね。
次が決まっていないという不安は確かにありますよね。もし自分がその立場だったら絶対に不安になります。 だからこそ、そうならないようにサポートしています。 逆に期間を区切って「ここまでしか働けないのですが、何か仕事はないですか?」と聞いて来られる方もいらっしゃいます。 最近はWワークや扶養控除が改正になり働き方も多様化していますので、希望に合わせて対応できるようにしていきます。
従業員・取引先の会社様・弊社、この3つのバランスが上手くいくようにと考えています。 このトライアングルが上手くなっていくと良い仕事をお互いがさせてもらえるのではないかなと思っています。

――― ロゴマークもその3つ(スタッフ・取引先・シーエーティ)の関係性をイメージして作られたそうですね。
そうです。“C”のマークに“人”という文字のチェーンが絡んで…。絡みすぎちゃったかな?と思うくらい絡めてしまいました(笑) でも、ちゃんと組んでいかないとトライアングルのバランスも崩れてしまうし“片寄ってはいけない”と思っているので、3つを大切にし、バランスを大事にしていきたいという思いを伝えて作っていただきました。
◆ 趣味・好きなことは何ですか?
私は特に “とことんやる趣味”ていうのは無いのですが、庭の手入れや家庭菜園で自分たちが食べる分くらいの野菜などを作ってみたりとかしますね。スポーツ観戦も好きです。 あと、趣味とは違うのですが、ストレスが溜まったりするとショッピングセンターや百貨店などを歩きますね。 デパ地下とかが大好きなのですが、歩きながら『同じような店舗があって、なんでこっちの店舗は人が入っているのかな?人が入っていないのかな?』と分析するのが凄く好きなんです。 友達とわいわい買い物に行く時もありますけど、そういう時は一人で行って、勝手な分析をしています(笑) 例えば『人の立ち位置、あそこにいると入り辛いな』とか。 なんで分析してしまうかというと、前職で私は主に量販店や百貨店の一階にあるような化粧品コーナーで販売していたんです。 その時『売れるお店を作るにはどうしようか』と常に考えるようになっていました。 『こんなにいっぱい店舗がある中でどうやって目立たさせよう』とか(笑) そのようなことを仕事として長く考えていたので、その癖が残ってしまったみたいです(笑)

――― コンサルタントやアドバイザーなどができそうですね。
できないですよ!(笑) そこまでの大袈裟なことじゃなく、あくまで趣味ですので(笑)
でもね、癖が付いちゃってるんですよね。やっぱり、自分が任された店舗を一番にしたいじゃないですか。 二番手、三番手だったお店を一番手にしたいし、その為にはどうしようって考えるんです。 遠目からお店を見て「こうしよう、ああしよう」とか。そんなことをたくさん考えていましたね。 でも、自分がそういう事に興味のある人間だとは思っていなかったです。 その仕事に就いて「自分はこういう事に興味があったんだ!」って自分がわかってなかった事に気付いたといいますか。 『同じ物を売っているのになぜ差が付くのか』という興味を持つ事ができた。

CMなどが強い所もあれば、クチコミとかで賑わうお店もあるかもしれない。 そういう事に自分の中では凄く興味があるので、歩いていると自然と目がいきますね。 違う目線で勉強しながら歩くのもいいかなと勝手に考えています(笑) だからお店に入っても「ここ、こうした方がいいのにな」って思ったりしますよ(笑) プロの方が監修している店舗もあるので、そういうお店はなるほどねって思います。 前職でやらざるを得なかったというのかな?まぁ、今となっては趣味です(笑) 実績があればね、商売になるんですけど(笑) 実績が何もないのでね(笑)
◆ 毎日行っているルーティーンなどはありますか?
猫とコミュニケーションをとっています。
元々、猫は特に好きではなかったのですが、ある日突然好きになりました(笑) 会社の名前も猫ですし、家の中にたまたま娘が猫を連れて帰ってきまして(笑) 今はその猫を飼っているのですが、朝会社へ行く時に「今日も元気で頑張ろう」「今日も安全な1日で」と思いながら猫の頭を撫でて家を出てくるのがルーティーンになっていますね。
――― 動物がお好きなのですか?
そんなに好きじゃなかったんですけどね…(笑) 昔は犬に追いかけられて泣いていたくらいですから。 今はルーティーンになるくらい可愛くて、毎朝癒されていますよ(笑)

◆ 子供の頃、楽しみにしていた行事などありましたら教えてください
サラリーマンの家だったので、そんな大それた行事は無いのですが、区の子供会の行事が凄く楽しみでしたね。 子供会って昔は凄く盛んだったんです。 他にも、隣保班で行く日帰り旅行とか、近所の家族と一緒に田貫湖に行ったりすることが凄く楽しみでした。 あと、家族で夏休みとか冬休みに東京の親戚の家に遊びに行ったり泊りに行ったり。そういう普通の事が楽しみでしたね。 今は時代も違うから、同じような事ができるかというと難しいですが、子供の頃はそういう事が凄く楽しみでした。

――― 最近は“ご近所付き合い”というものも減っていると聞きます。
昔は、電話がまだそんなに普及されていない時代だったから「電話貸してください」とか「お味噌貸して」「卵貸して」とか、そういう時代だったんです(笑) 今はそんなにご近所付き合いも無いかもしれませんが、そういう交流が楽しかったですね。
――― “子供会”と聞く機会が減りましたが、なくなってしまったのでしょうか?
今は子供たちが他にやることがたくさんありますから、時代が変わったという事なんでしょうね。 でも私は、家にある古い白黒の集合写真とかを見ると「あぁ、懐かしいな」って思うんです。 その頃の幼馴染に会ったりすると凄い懐かしくてね。
◆ 富士宮市の自慢できるところがあれば教えてください。
ありきたりですけど、富士山とお水ですね(笑) 富士宮から見た富士山の形というのが凄く好きだなって思いまして。 色んな所に行って富士山を見るんですけど、富士宮から見た富士山ってやっぱり綺麗じゃないですか。なんか“いいな”って思います。 あとは、良い食材がいっぱいあるところですね。私は鱒の甘露煮が大好きなんです。 苺などの果物もとても美味しいですよね。 この間、友達が来た時に富士宮産の“はるみ”というみかんを持ってきてくれたのですが、それが凄く美味しくて! 【普段、何気なく食べている物が当たり前に美味しい】どこかに美味しいものを求めていかなくてもちょっと行けば美味しいものがある。お店もいっぱいある。 そこが良い所かなって思いますね。恵まれていますよね。
――― 水も水道水でも美味しいですよね。
そう、美味しいですね でも、買った水を飲んでしまうと水道水が飲みにくくなってしまうのはなんでだろう?なんて思いながら(笑)
――― ニジマスも名産ですからね。
名産ですよね。幼い頃から食べていたので、今でも凄く好きです。 昔はたくさんいただいて、父親がストーブの上に置いた鍋で甘露煮を沢山作ってくれました。 よく無理やり食べさせられていたな(笑) 今思えばそれが本当に美味しくて。今も好きで購入して食べていますが、やっぱり美味しいですよね。