インタビュー

富士宮通運株式会社 代表取締役 社長 鈴木伸一 【前編】

   
◆ まずは簡単に自己紹介をお願いします。
鈴木伸一といいます。
静岡県の島田市という所に生まれまして、大学を出て就職をして。最初の勤務が東京でしたね。
そこで十何年やって、浜松、関西、豊橋に行って。 その後、九州も担当していたので、大体日本全国を周りました。
そういった環境の中で仕事をしてきたので、非常に柔軟になりましたね。
何に対しても好奇心が強く、人懐っこいタイプです。人懐っこくないとどこにでも溶け込めないので(笑)
もう一つは、チャレンジ精神が非常に旺盛かな。まぁ、好奇心が強いってことはチャレンジ精神が旺盛ってことだからね。そんなタイプです。

◆ 休日はどの様な事をされていますか?
『美酒美食』ですね。あとは街歩きが好きです。夜の誰も歩いてない街を歩くっていうのが好きですね。 だから、富士宮はドンピシャなんですよ(笑) 人が歩いてない(笑) 今までは名古屋だったんでね。1時になっても、みんないっぱいだったんですよ。こっち来たら7時になると人がいない(笑)
――― 最近だといつ頃どの辺りを街歩きに行かれました?
毎日ですよ(笑) 基本は富士宮ですよね。あ、気に入っているお店は富士の方にあって“おばんざいのお店”を 30代くらいの女性がやっているんですけど、そこのおむすびが美味しいんです。自家製でね。 まぁ、おばんざいのお店だからいっぱい並ぶけどね。席が7席くらいしかないんです。 …富士宮だとどこがいいんだろうなぁ?僕がよく行くのは“商店街の中華料理が美味しいお店”が多いですね。 冷やし中華が安くて美味しいんですよ。あと、紹興酒。30年ものの紹興酒がたま~に入るんですけどね。とても美味しいです。

――― 一番好きなお酒はなんでしょうか?
ワインです。シャトー・ペトリュスって聞いたことありますか?あとロマネコンティ。 赤ワインが大好きで。5大シャトーって言うんです。 僕がもう一度飲みたい“シャトー・ペトリュス”って高いやつだと原価で500万ぐらいするんですよ。 店で飲んだら?1500万くらい取られちゃいますね(笑)
後は日本酒も好きかな。
――― 日本酒は辛口、甘口など何がお好きですか?
全部ですね。大吟醸が結構好きで。大吟醸と言えば、磯自慢はしょっちゅう飲んでるんですけど、色々ね。黒龍とかありますよね。 いや、まぁ普通のお酒も好きですよ?(笑)普通の辛口の。吟醸とかじゃなくても好きです。
――― 寝ることもお好きと伺いましたが…
寝ることは大好きですね。昔から睡眠をとるの好きでね、何かあれば寝てるというね(笑) いや、起きているのも勿体ないんです(笑) 大体7時間は毎日寝ています。7時間プラス3時間くらい(笑) 暇を見つけてね(笑)
――― 凄く理想的ですね。お酒を飲んで睡眠もとって…。
あと美味しいものを食べてね。 この間なんか、いつも行く中華料理屋さんでフカヒレを食べたんです。富士宮で初めて。従業員と一緒にね。大きくて(笑) 美味しかったですよ。
◆ どんな学生時代でしたか?
4年間大学にいたので、皆さんと一緒で勉強はあまりしなかったんじゃないかな(笑)
元々自由人なので好き勝手なことをやってたというのが実際ですよね(笑)
テニスはクラブに入ってやっていました。
他にも、当時はローラースケートとかサーフィンが凄く流行っていた時代なので、湘南へ行ったりしましたね。 同じ生徒の仲間と一緒に。
あとは毎日お酒を飲んで…。えぇ。大学×年生からずっと、毎日(笑) そんな学生時代でしたよ(笑)

◆ 富士宮市で起業したきっかけはなんですか?
鈴与(株)の鈴木オーナーのインスピレーションでしょうね。 僕は鈴与(株)にいた時、西日本の担当取締役をやっていたので豊橋から九州まで全部見ていたんですけども…。 仕事が一段落したっていうのもあるのかな?土地の購入をやってたので、九州と名古屋に膨大な土地を購入して倉庫を建てる準備まではしたんです。 その時、何かの食事会で鈴与(株)の鈴木オーナーに会って、ちょこっと話をしたら“ニヤッ”って笑って。翌月にこちらだったんです。 3日間くらいしかなかったですね(笑) たぶん、難しい会社(富士宮通運)だっていうのは鈴与の鈴木オーナーには分かっていたんですよ。 僕らは知らなかったですよ?『何もしなくていい。簡単でいい会社に行ける』って、みんなの評判でしたから(笑) 「あ、そうか。それじゃ僕もサラリーマン人生が終わったので、あとはのんびり余生を暮せばいいな」と思って、来たら…。 ところがどっこい(笑) 大変でしたね(笑)

◆ どんな事業をされていますか?
日本にはあまりない『製造加工・ロジスティクス事業』と言って、『製造と物流を科学する会社』です。
――― 工場内が凄く清潔でしたが、掃除はどの位行っていますか?
清掃は朝と終わった後に毎日やっていますね。 『整理、整頓、清潔、清掃、躾(教育)』“5S”と物流業界では言うんです。 現場になるとこの“5S”というのが基本になっています。それから、GMP“Good Manufacturing Practice” 簡単に言うと『良い商品を作りましょう』という業界基準があるんですが、たぶん今年の12月にそれが取得できるので、単独の物流会社としては日本で初めてになります。
元々『製造加工・ロジスティクス』という言葉は無くて、こっち(富士宮)に来てから作った言葉でもあります(笑)

◆ 富士宮通運株式会社を経営されていく上で一番大切にしていることはなんですか?
昔からそうだったのですが『現場第一主義』ですね。現場に入らない人の言う事は信用できない、と。
『現場は宝、現場は命、現場を大切にする』現場に入って、色んな人の意見を聞いたり考えたり。 でも最終的に“判断するのは自分”という事です。
――― 現場第一主義と言いますと、鈴木社長も現場に入られるのでしょうか?
全部の現場に入りますよ。現場改善って言うとね、たぶん僕が一番多いと思う。
壁に穴をあけて窓を作ったり。天井に、断熱材を貼ったり。屋根の上に噴水をかけたり。現場を見ていると大体分かるんです。
それと、人間関係の悪さですね。入ってみないと分からないでしょ? まぁ、こっち(富士宮通運)に来る前からずっとそうだったのでね。週3回は必ず、倉庫とかに入ります。 鈴与(株)の時は自動車1000台-2000台を積んだり降ろしたりやっていたので、現場に入らないと簡単に人間の命って死ぬんです。そういうのを痛感しているんでね。 結構重たいんですよ、こう見えても(笑) 苦労してるので。 怪我人どころか人が亡くなるんです。人が亡くなるって、どんなに色々な人に悲しみを与えるかっていうね。実感すると分かりますよ。
だから責任者は現場に入らないとダメ。現場に入りたがらない責任者は外した方がいいですね。 『安全が品質より勝り、生産性向上より勝る』まさにこの通りなんですよ。儲けよりも、製品の品質であり、人命だと。 鈴与(株)の与平オーナーから教わっているんでね。
…ですが今は、平日は他の管理職に入ってもらいたいから、なるべく工場には入らないようにしているんです。改善してもらわないとね。 土曜日はみんなが来ないので、僕が来て、必ず入ります。土曜日当番みたいな感じですね(笑)
あと大切にしているのはP・M・A。Passion,Mission,Action. この中で大事なことはPassionですよね。情熱。『情熱のない所に成功はない』ので。

◆ 富士宮通運に関わる人々や地域社会にどのようなプラスの影響を与えていますか?
社会的貢献は“共生”があるんだけど、個人としては“明るさ”と“元気”があるんでね。 街に出ても飲み屋さんに行っても“明るさと元気”“前向きな心”で、行ったお店もみんな繁盛するし!(笑) 『幸せを運べる』って言われたのでね。まぁ“明るさと元気”“前向きな心”じゃないと幸せは来ないってことですよねぇ。 暗くなっていたらダメですよ。大変な時こそ、明るく元気にやらないと! 経営者は、辛い時ほど明るく元気にやらないとダメですよ。周りに影響を与えちゃうからね。