ご挨拶
ひと手間の美味しさ
叶屋製麺工場(現 ㈱叶屋)は、戦後まもなく創業者である、父 後藤豊平がお客様から小麦粉をお預かりし麺に加工する手間賃を頂くところから出発いたしました。 このころの日本は、今では想像もつかない位、貧しい食生活でした。 しかしその後の高度経済成長により、世の中は急速に流れ、冷蔵庫の普及、車社会、スーパーの進出。 流れは弊社にも押し寄せ次第に業務が変化してまいりました。 まじめに一生懸命働く日本人は毎日の忙しさから、すぐに食べられる物を求めるようになりました。 その為に製麺業者は「茹でたうどん」「茹でたそば」を袋に詰め店頭に並べる事で時間を惜しんで働く消費者のニーズに応えてきたのです。 しかし、その流れの中、私はふと立ち止まってみたくなりました。 大手と同じ仕事ではなく小さな製麺業者にこそ出来る仕事があるのでは・・・・・・・・・。 |
代表取締役 後藤 寛司 |
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戦後の貧しさの中でも日本の食生活には時間という贅沢があったことを思い出しました。
それが『ひと手間のおいしさ』の見直しでした。
我々製麺業者が普及した茹で麺ではありますが、家庭でたっぷりの湯を沸かし、ひと手間かけ生麺を茹でる。
そんな茹でたての贅沢があることを知っていただけたら・・・・・。
そう考えるようになり小さな店舗を構える事にしました。対面販売の利点を生かし茹で方の説明をし、家庭でも味わえる、ひと手間の美味しさをお話させていただきました。
おかげさまで少しずつではありますがお解かりいただけるお客様が増えてきたように思えます。
麺類とともに自信を持って製造販売しております餃子は、若い頃からお世話になってきた配達先のお得意様方に出来立ての餃子を食べさせていただきながら、勉強させていただき出来上がった商品です。
私が無類の餃子好きであることに加え、仕事柄、好みの皮もできますので、教えていただいた多くの事を参考に作りあげ販売させていただいております。
この餃子もひと手間かけ、焼きたてのおいしさを味わっていたきたく生のままの販売しております。
また、戦後から富士宮の歴史とともに育んでまいりました商品「叶屋のむし麺」がB1グランプリ以来「富士宮焼きそば用むし麺」として、多くの皆様に知っていただける商品となってきております。
先代から教えられた事は「小細工するな、正々堂々地道な努力をつむべし」
この言葉通り、叶屋一同、今を良しとせず、素材の味を生かし、製造技術をみがき、より美味しいものをご提案し、お客様を通して麺の食文化を大切にする事を使命とし、これからも精進してまいります。